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三鷹の『太宰治文学サロン』から井の頭公園

『太宰治文学サロン』から井の頭公園


『太宰治文学サロン』
三鷹駅から歩いて5分くらいのところに『太宰文学サロン』がある。小さな文学サロンで、入場は無料です。陳列ケースには、初版の『桜桃』『東京八景』など数冊と、桜桃の原稿が陳列されていた。太宰治の原稿は女学生の丸文字のような字で、読みやすい。その他、太宰治の略年譜、太宰治をとりまいた人々、太宰治と当時の三鷹周辺の写真が展示されている。
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玉川上水
玉川上水沿いを井の頭公園に向って歩く。6月13日は桜桃忌だった。上水は茂った木々に覆われ、暗い底を小さな小川のように水が流れている。当時は、水量が多く落ちたら助からない「人食い川」と呼ばれていたそうです。まして梅雨時だったので、かなり増水していたでしょう。
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山本有三記念館
途中、りっぱな洋館がある。山本有三の住まいだったところで、今は山本有三記念館として公開されている。山本有三の代表作に『路傍の石』がある。子供の頃映画で観た記憶はあるが、読んだことはない。1937年、朝日新聞の連載小説だったが、1940年、当時の時代背景(検閲)の影響もあって、断筆を決意、未完で終わっている。次に来るまで読んでおきましょう。
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井の頭公園と『火花』
井の頭公園で頭に浮かぶ小説は、太宰治の『ヴィヨンの妻』でした。いまは、又吉直樹の小説『火花』が頭に浮かんでいる。お笑い芸人ピース又吉のおもしろ、おかしい小説ではありません。難しくて、私は三度も読みました。二人の漫才師の純真で、極めて真面目で、そして優しく、ほろ苦い小説です。小説の主な舞台は吉祥寺で、井の頭公園が出て来ます。その中で、好きな文章は、師匠と呼んで、寄りかかっていた漫才師の神谷が同居していた彼女と別れた。その彼女を10年後に井の頭公園で見かけた記述です。
それから、真樹さんと何年も会うことはなかった。その後、一度だけ井の頭公園で真樹さんが少年と手を繋ぎ歩いているのを見た。僕は思わず隠れてしまった。真樹さんは少しふっくらしていたが、当時の面影を充分に残していて本当に嬉しかった。——その子供が、あの作業服の男の子供かどうかはわからない。ただ、真樹さんが笑っている姿を一目見ることが出来て、僕はとても幸福な気持ちになった。誰がなんと言おうと僕は真樹さんを肯定する。
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三度も再読すると、芥川賞あるかな、と思ってしまいます。私の『火花』は初版発行です。いつもなら読むときに鉛筆でマークするのですが、芥川賞を期待してキレイに読んでいます。               





by mscomtec | 2015-06-27 09:23 | 東京散歩 | Comments(0)

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